義父がうつのとき

 義父は20年ほど前に、うつになりました。それ以来、薬を飲んで症状を和らげているそうです。しかし薬を飲んでいても気圧や環境の変化などで、気分が落ち込むことはよくあります。

 去年の12月から4月頃は、寒いからか長期に渡って落ち込んでいました。口数が少ない時もあれば、ネガティブなことを延々と話している時もあります。高次脳機能障害の影響なのか、毎日全く同じ内容を話しているので、こちらもなかなか根気が要ります。そんなある日の会話です。

 ※高次脳機能障害とは、脳卒中などの病気や交通事故などで脳の一部を損傷したために、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳機能の一部に障害が起きた状態をいいます。 (Google引用)

 義父は、しんどく感じると義祖母に施設に入って欲しくなります。しかし、果たしてそれが解決になるのでしょうか。精神的によく落ち込んでいるのは義父。義祖母は私に見せないだけかもしれませんが、気分の浮き沈みが少ないように見えます。さらに半身麻痺で片手しか使えない義父より、義祖母の方が家事の能力があります。また、要介護者が2人いるからこそ、毎日多くのサポートを受けることができています。そして一番気になるのは義祖母のメンタルです。

 昨年、義祖母はヘルニアで入院していました。その間、電話が何度もかかってきました。

「早く迎えに来てほしい」

「知らない人に連れてこられたから、警察に連絡してほしい」

「周りの人(病院のスタッフさん)が不審や」

 そんな調子で、義祖母は自分が入院した経緯を忘れてしまい、パニックになっていたのです。このような症状はよくあることだと病院の看護師さんから聞きましたが、とても胸が痛みました。ヘルニアが治った今、大きな理由がないのならば、穏やかに過ごせる自宅に居させてあげたいと強く感じました。

 とはいっても、義父と義祖母の2人きりの生活が煮詰まってしまうのも想像できます。育児と同じで、ずっと一緒にいるのは息苦しいのだと思います。どうしたらいいかなぁと考えあぐねていたら、急に事態は好転しました。冬が終わったのです。冬季うつ(別名ウィンター・ブルー)という日照時間の減少による、うつ症状だったようです。解決策を探していたので、知らないうちに好転してガクッと気が抜けましたが、何にしても落ち着いて良かったです。

 暖かくて穏やかな時期をしっかり味わってほしいけど、そう上手くはいかないのが義父です。冬季うつが終わっても、さまざまな要因で日々上がったり下がったりの毎日ですが、振り回されないよう余裕を持って接したい今日この頃です。

ジャスミン

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